原因が不明では逆にボディーを痛めます!
先日、とある中古車販売店から依頼の連絡が入りました。
聞くところによると、これまでは同じ磨き方を行いキズを取っていたそうです。
しかし、今回はいくら磨いてもコンパウンドが焼き付き全く磨けないとの事。
ポリッシャーを替えたり、バフを替えたり、コンパウンドも替えてみたが全く磨けない!そればかりかウエスでも拭き取れなかった為、急遽、専門店である弊社にご用命頂いたそうです。
知識が曖昧では対処が何も出来ません!
何故この様になってしまったのか?
少しお聞きする事にしました(どの程度の基礎を知っておられるのか?施工環境など)
ポリッシャーはシングルポリッシャー1種類のみ使用。
バフは毛バフとウレタンバフのみ。
コンパウンドは市販の細目・極細目の2種類。
施工環境はいつも倉庫内での作業との事!
いつもはOKで今回はNG!何故???
結論から言いますと「湿度と温度」です。
専門店ですから磨く道具関係は揃っていますが、中古車販売店様は上記の道具だけで作業される事が一般的でしょう。
ボディーが焼き付きを起こすと言う事はまず気温が低い場所で行った事!
気温が低いと当然ボディーも冷たいままですから急激にポリッシャーで摩擦を起こすと焼き付く原因にもなります。もう1点が湿度です。何度もコラムで申した通り「湿度は重要です」いくら気温が適温でも湿度が高いとボディーにこびりついてキレイに磨けません(コンパウンドは研磨剤です!研磨機で摩擦させて粉にしなければ磨けていないと言う事です)
しかもボディーが焼き付きを起こしていて尚且つ何度も研磨作業を行った事で塗装表面がにシワが寄っていました。
おそらく、そのまま作業を続行していれば完全に塗装がダメージを受け鈑金行きだったかも知れません!
これまではたまたま焼き付かなかっただけです!
湿度が高い日の研磨作業は極力行わない!(特に雨が降る前やボディーに湿気が付着している場合など)
部分を軽く磨いて様子を見る事!
取れないからと言って高回転またはウエスで擦らない事!など
しっかりまず「磨き」より「基礎知識が大切」であると事が一番だと思います。
もう一点!キズが消えたと思い込んでますよ!
下記の画像を見て下さい。(ボンネット部分です)
画像上はキズがなくキレイな状態に見えますが・・・
脱脂を行ったところ・・・
どうですか?
磨いてキレイになったはずのキズが浮き上がってきています。
良く磨けていないと言う事です!!!
これには色んな要因がありますが・・・
まずは使用しているコンパウンドの油分が多い事!
油分が多いと言う事は油はキズを「隠す」「埋める」効果があります!
ですので、施工者本人もキズが確認できない為、キズが「消えた」と思い込んでしまうのです。
一度付いたキズは「消えません!」
なので「キズを消しますなどとおっしゃる業者さんには、それだけの知識が備わっていないと思って頂いて良いと思います」
何故キズが消えないのなら見えなくなるの?
専門店の施工はボディーに付着した大きな傷をポリッシャー(研磨機)やバフ・コンパウンドなどを使用してキズをバフのキズに変換していくのです。
ざっくり言うと大きな野菜を細かく切っていくイメージです!
細かく細かく切っていくと人が目視で確認できない様になります。
これが「磨き」と言う作業です。
よく、バフ目やオーロラ目が出た(ボディーがモヤモヤっとしている特に濃色車)を見た事は無いでしょうか?
その模様はキズがバフのキズに変わって行っているので間違いではありません。
重要なのはその後の作業を怠った事なのです。
そのバフ目やオーロラ目をまた細かくポリッシャー・バフ・コンパウンドを使って変換していく事が出来ていないからバフ目が目立ってしまうのです。
未だに多くの業者の方は磨けばキズは消えると思い込んでおられます。
お客様は何十万・何百万のお車を購入されます。
直接磨きは関係がないかも知れませんが、知識やメカニズムをご理解頂き、研磨作業を行って頂きたいと思います。
お客様のキレイにいつまでもの思いを弊社は失望に変えたくはないと思っております。
ご参考になれば幸いです。
ご閲覧ありがとうございました。